菊水 味の歳時記 

常夏 この言葉どうりの毎日ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 


5月 今月は子供の日 この季節になると、日本では田植えの準備が始まるころでございますね。

 


今年は日本も冬が厳しかったようで、桜も今満開のところもあるようです。

 


どっしりとした そしてその硬く流れてゆくような権丈な幹と、柔らかにしなやかに伸びゆくその枝先に咲く桜 
蕾も匂わせ 咲き誇り 散りゆくひとひらの花弁ですら、私たちの心動かさずにはいない 桜花 

 


まさしく、出逢いと別れ 人生の別れ道を飾るにふさわしい 大和桜花と言えましょう。
その中でも、これからの季節は、山野草が美しく咲くころでもあります。


祖母も母も、生前はこの 人目にはあまりつかない、可憐なそれでいてひっそりと咲くこの山野草が好きでございました。


菖蒲 おだまき 芍薬 えびね蘭 ふたりしずか山藤 やまゆり 熊谷草 丁子 すいかずら やまぼうし あまどろこ 雪の下 あざみ 卯の花てっせん 都忘れ まだまだ限りありませんが、どの花も、それぞれの不思議があり、美しく、そして香り 庭先や縁側 それぞれの合わせ土に植え込まれた山野草を見ながら 祖母や母は、「今日は、お客様が見えるから、一輪挿しを用意して生けましょうか あまり匂いの強いものはだめですよ」と話していたことを思い出します。


その夜 お客様がご家族連れでお越しになりました。挨拶もそこそこに その方は、新聞紙に包まれた山菜を手渡されました。


たらのめ 甘草 やぶれかさ 雪の下 その他 山で摘んできたとのお話 


祖母も母も大喜びで 「これこそ ご馳走ねと、そして すぐさま、お湯を沸かし 下拵えと料理にかかりました。」
すぐにお料理してあげなければ、可哀想と話ながら 私にも湯がかれた山菜を手渡し さあ、根元をそろえて 余分な根元はとりなさい。」


「こうして、小さな草でさえ、手折らなければいきてゆけないのが私たち人間ね だからこそ、無駄にせず お料理してあげなければ、とそれぞれの山菜はごまよごし おひたし てんぷら と形を変えて 食卓に並びました。


ご馳走とは まさしく、そのものよりも その誰かをお迎えするために、馳せ走り また、華美な飽食を言うのでもなく、今出来る限りの事をする事 それを馳走とゆうのでしょうね 


ですから、お客様には大変申し訳ないことであり、失礼な事で恐縮でございますが、100点の料理なんてありません。多分死ぬまで 心から満足のゆくお料理はすこしでしょう。


だからこそ この仕事を続けてこれましたのもそのものに近ずきたいが為。


私の師匠の言葉でしたが、「まな板の上の稚鮎をみながら 素材がして欲しい事をよく考えなよ。」この習わしやしきたり 目に見えないきびしさと優しさ 心を配らなければ できません。

 



お昼の虫養い
 日替わり 週替わり 献立をごらんください。

夜のおすすめ料理
 お造りから天婦羅 焼き物 鍋もの 
 鮨 おまかせ など 5月の旬のお料理でお待ちしております。

山菜も出揃い 魚介類も赤身 青魚 白身魚 磯魚 川魚とこちらも 山海の珍味が豊富です。