卯月 味の歳時記 馳走菊水庵 BY 菊水

卯の花が咲く季節 また、干支の四番目が卯であるとか、草花が芽吹き 花開き 生命が生き生きと動き始める時 
 
この季節は お釈迦様の誕生した月でもあり 4月の8日は降誕会と呼ばれるお祝いの日でもあります。
 
新入 会社や学校のスタートの時でそれは出会いと別れの季節 
私どもの、菊水庵でもこの季節はたくさんの、お客様とのお別れがございました
皆さん、奥様は奥様の友人とランチに、ご主人は、お仕事の関係者や接待などで、お世話になり時に、ご夫婦共に、お子様連れで 
今年も、何人かの方がたが、お別れのご挨拶に、お見えくださいました。
 
いらっしゃいませ~とお迎えしたときに、何やらいつもと雰囲気が違う けんかでもなされたのかな?お仕事で問題があったのかな?お体の具合でも悪いのかな?などと、ご主人と奥様のお顔を伺います。
お二人でお料理のご注文をなされてから 一口、ビールをお飲みになり、お客様の口が開きます「実は、本帰国が決まりました。せっかくお知り合いになれたのに 残念です。最後にお料理を頂きにきました。」やっぱりそうでしたかとうなずきながら、私は、別れる寂しさと共に、心を動かすもったいないお言葉ですと感謝感激でした。 
 
来週の帰国予定なので、もし時間があれば、これるだけ足を向けますね。と 
この仕事を何十年も、続けてこれましたのも、大げさなことかも知れませんが まさしく、美味しかった この一言を頂く為 一期一会ですね。
もう 会えないかもしれない 今日限りかもしれない そして、本日ここで、お会いできたことのご縁の不思議 
ご夫婦で ご家族で 大切なあの方と そして、ご友人と その時 そのお食事のほんのわずかな時間のお手伝いを出来ること 様々な、人生の中で、楽しいお食事やお酒をお飲みになりに 私どもの拙庵をご利用頂いたこと 心から感謝させていただくと共に、この一期一会の刹那に 改めて、私は心の働きを知りました。
 
桜は咲くも華 散るも華 出会いと別れのまさに一期一会 
もう会えないかもしれない 会えなかったかもしれない この不思議 満開爛漫に人々を魅了した桜も、僅かな時を過ぎて 散っていきます。
 
永遠などないからこそ、美しく、儚いからこそ、愛しく、そして、思い出とゆうアルバムができるのでしょうね。
 
私の師匠の言葉でしたが、「どうだい、修業はつらいだろう でもな、この俺だって、つらい厳しいだけなら とっくにやめてるよ。さっきのお客様がお前に、美味しかったよ って話した時に、自然とこわばった顔が 笑顔になり とてもいい顔になったのわかったかい?」
師匠の横で、引かれた造りを盛り付け あしらいなどの仕事をさせてもらうようになった向こう板初日のことでした。
 
生け花やお茶 料理も、一瞬の命 永遠でないからこその 美しさ 儚さ なのでしょうね。
 
これでもかと 怒られた日は、川筋のおでんやか、小料理家に誘われました。
「さあさ ぐぐっと飲みなよ。」とぽんと肩を叩かれたあの時 本当に美味しいお酒でした。
今は亡き師匠 永遠はないけれど 思い出は残るのですね。 
 
時折 忘れそうになる苦しかった修業のこと この卯月の華々を思い出しながらの 初心に立ち返りたいと思います。
 
卯月の献立
 
そろそろ筍でしょうか?あえて、皮は剥かず 縦割りにし 香りを逃がさず炊くのもよろしいかもなどと考えております。
筍 桜鯛 新もずく 新若芽 ほたるいか   椎茸 山菜 
 
ランチやご夕食 共に、春爛漫の食材とお料理家で、皆様のお越しを心よりお待ちしております。
ぜひご会食 歓迎会 など 菊水庵をご利用くださいませ。